「自分には強みなんてない」「これといった取り柄が思いつかない」
仕事やキャリアを振り返ったとき、そんな風に感じることはありませんか?
でも実は、「得意なこととはいったい何なのか」を理解する事で簡単に見つけることができます。
たとえば「思い立ったらすぐ動く」という特性。
周りからは「行動力がある」と褒められることもあれば、「計画性がない」と注意されることもあります。
同じ行動なのに、長所にも短所にも見えるんです。
実は、得意なことはこの特性の事です。すなわち、あなたの短所からも見つけることができます。
どうですか、簡単に見つかる気がしてきませんか?
この記事では、「長所」と「得意なこと」、さらに「強み」との違いを整理しながら、あなたの中に眠る得意なことを見つける4つの質問をご紹介します。
300人以上の学生の自己理解をサポートしてきた経験を元に情報発信していますので良ければ参考にしてください。
「長所」と「得意なこと」の違いとは?
項目 | 長所 | 得意なこと |
---|---|---|
意味 | 他者から見た良いところ | 自分が自然と人よりできてしまう事 |
評価基準 | 他人の主観に依存しやすい | 他人との相対的な違い |
状況による変化 | 短所にも見えることがある | 特性なので変化しない |
長所はあくまで“見られ方”であり、ある事柄は短所としても長所としても見る事ができます。
例えば、”思い立ったらすぐに行動に移す”という特性だったとします。
- 長所としての見方:行動力がある。主体性がある。
- 短所としての見方:計画性がない。リスク検討が不十分である。
このように、二面性がある事柄をどう解釈するかという事が長所・短所で、解釈の対象となる本質的な特性や能力が得意なことです。
「得意なこと」と「強み」の違い
得意なこと:特性そのものであり、自然としてしまう/出来てしまう事柄
強み :ある特定のルールのもとで、ゲームに勝つために発揮される「スキル」や「得意なこと」
つまり、あなたが取り組む事柄や、取り組みの枠組みが明確になって初めて、どんな事が強みになるかが分かります。
詳細については下記の記事で解説していますので参考にしてください。
「強み=才能じゃない|”どんなゲームで戦うか”で見つかる本当の強みとは?
得意なことを知ることの重要性
①自分に合った働き方が分かり、ストレスが減る
自分に合っていない仕事・環境にいると、ストレスや違和感が生じます。
「なぜかうまくいかない」「消耗するだけ」と感じる原因は、自分の得意なことが活かせていないからかもしれません。
自分の得意なことを知れば、何かストレスを感じた時にそれを自分の特性として理解する事ができます。こういう思考・行動特性だからストレスを強く感じるんだなと頭で整理できるだけで、ストレスは大幅に軽減します。
② 就職活動・転職で“深みのある自己PR”ができる
面接で「あなたの強みは何ですか?」と聞かれたとき、
単に「コミュニケーション能力が高い事です」ではなく、
「相手の意図を読み取り、対話しながらゴールを設計できます」
と構造的に答えられれば、自分の事を良く分かっているなと思われますし、説得力も増します。
③ 自分が社会に提供すべき価値が分かる
他人と同じスキルを持っていても、得意なことの違いで価値の出し方は大きく変わります。
例:同じ「プレゼン作成」でも
①「丁寧に要望を汲み取り、理論的に展開」
②「斬新な切り口で課題ととらえ、情熱的に提案」
このように同じライティングスキルや、思考法を体得していても、その人の価値の出し方が変わります。
④習得すべき技術が明確になる
得意なこと=特性が分かれば、伸ばすべき能力も絞られます。
例えば、構造的に考えるのが得意な人は、
データ分析や資料設計といった「設計型スキル」と相性が良かったり、
なんでも深く考えてしまうという人は、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの技術を身に着けるとより、大きな強みとして発揮できるでしょう。
「得意」を見つける|4つの設問
「得意なこと」は、意識せずにやってしまうことです。
ここでは、自己分析のフレーム「ジョハリの窓」を意識して4つの設問を用意しました。
本来は第三者に協力してもらうものですが、1人でもたどり着くような設問にしましたので、紙とペンをもってぜひ取り組んでみてください。

【1】自信があり、よく褒められることは?
“自覚あり・他者も認める”領域
- 必ず解決してくれるね → ”どんな時でも突破口を模索し突破する”
- 器用だね → ”コツをつかむ”→”構造化して特徴をつかむ”
【2】良く指摘されることは?それを資質として言い換えるとなに?
他者は知っているが自分では意識していない特性。
- 「つめが甘いよ」 → ”全体像を俯瞰して構成する”
- 「アイデアマンだよね!」 → ”前提を疑い新たな問を設定する”
【3】またやってしまった…と思うことは?特性として解釈しなおすとなに?
「他者は気づかないけれど、自分では自覚している特性。
- 締め切りギリギリになる → ”優先事項に集中する”
- 子どもよりも趣味に熱中してしまう → ”つい没頭する”…(苦笑)
【4】つい人にイライラしてしまうことは?そこから、自分が自然とできている事はなに?
これは、あなたが“無意識に大切にしている価値観”をあぶり出す問いです。たとえば私はこんなイライラがあります:
- 議論中に黙ってしまう人にイライラする →”考えを即時に言語化する”
- 表面的な会話に終始する人 →”一段深く考えて本質にたどり着く”
💡ポイント
良い事も悪い事も長所・短所ではなく、特性や能力に言い換える
まとめ
「自分には強みがない」と感じても、実は“得意なこと=特性”はすでにあなたの中にあります。
今回は4つの設問を紹介しましたが、普段のふとした気づきからも自分の得意なことは発見できそうだ、と思って頂けたのではないでしょうか。
次は、その「得意なこと」をどう活かせば、キャリアを納得感のあるものにできるのかを考えてみませんか?
このブログでは自己理解に基づいた自分だけの仕事(ビジネス)を生み出すためのメソッドを公開しています。良ければ下記の記事も参考にしてください。
自己理解の全体像完全解説
完全図解|8つの視点で“本当の自分”を言語化する方法
価値観の見つけ方に特化した記事
価値観を言語化する|人生の軸を見つける7つの質問
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